企業も人間も家族も
意識せずに変わる力を持っている人々がいる。
いちばんそれを感じたのは
久しぶりに訪れた旭川扇松園でだった。
扇松園は今の女将の祖父母が作った旅館で、
そのお客様への想いは、
まるで愛する孫たちを迎える様な暖かさだった。
その暖かさは、
代が変わっても引き継がれているが
もう一つ、いや、もう二つ引き継がれているものがあると
先日感じた。
今までも居心地の良い場所で
スタッフの皆さんも心一つだったけれど、
今回はその心一つが数倍にも感じられたのだ。
働く人たちが心一つになると、
当たり前にお客さんの居心地は良くなる。
そのことを女将に話すと、
『もしそう感じてくれたのなら
支配人が社員と一緒に
手作りでお客様を迎える準備なんかを
始めたからかもしれないなあ』と女将さんは言った。
例えば
客室にあるお菓子。
以前は扇松園のマークが入ったお煎餅だったけれど、
クリスマス期間、それは社員の手作りクッキーに変わり、
可愛いコルクの人形も社員みんなで
作ったそうだ。
スタッフの中には
外国人のインターンシップ中の方もいた。
それ以外にも
変化は様々なことに見え隠れしていた。
支配人は女将の息子さん、宏典さんだ。
代が変わっても引き継がれているもう一つは、
跡を継ぐ人が育ってきたと思ったら、
思いっきり好きな様にさせて、
社長(女将)は口を出さないこと。
女将と先代は、経営のことで良く揉めていたそうだが、
女将が引き継ぐことが決まると、
一切何も言わず、応援してくれたそうだ。
そして女将もその様になりつつある。
親の背中から引き継いだのだと思う。
もう一つ引き継いだのは、
社員を心から愛すること。
そして支え合うこと。
女将にも支えてくれた社員たちがいたそうだが、
支え合う若いスタッフが宏典さんにもいる。
すごいなあと思う。
これがアドラーが言うところの
共同体のあり方なのだ。
学ばなくてもできる人がいると言うことは
人間には、共同体を作る力が備わっていると言うことだ。
だってそうしないと弱い人間は、
生きてこれなかったんだもの
ただ、それを忘れちゃってる。
来年は、また、
扇松園からまた学ばせて貰おうと思っている。
また通うかな。
扇松園のみなさん〜
来年もよろしくお願いいたします!