ハルチカシ!

TTMゆいの中野むつみです。

すこーしずつ
春。

嬉しくて
我が家のお雛様を出してみた。

これは
亡くなった義母の紙人形だ。

義母は駒子の紙人形の先生だった。

昔はただ上手!
くらいにしか思わなかったが、

今見ると
半端ない上手さだ。

この形の他にも
お内裏様も座っているのがあったが

それは長女に渡した。

わさわさ生きていたせいか、
去年までは、

ゆっくり飾る余裕もなかったが、
今年は飾ってみた。

多分家の中で一番目立つ場所だ。
玄関に飾ろうとも思ったけれど、

それでは義母が
寂しいだろうと思いやめた。

みんなの声が聞こえるところが
良いに決まってるものね。

みんなと言っても
夫と私だけだけれど

きっと喜んでくれていると
思う。

で、
玄関には、

多分12年前に買ったと思われる
牛の張り子のお雛様と、

昨年買った貝あわせを
飾った。

こちらは、
御雛人形司山田祐嗣氏が作られたもので、

ご自宅で行われた雛人形展を見に行き、
思わず買ってしまった。

小さな貝に書かれた図柄が
この上もなく可愛かった。

山田さんの今年の雛人形展は
ご自宅の他に、

札幌資料館にも展示されるようで
今から楽しみだ。

それにしても
人形は不思議だ。

昔から伝わるお雛様でも
現代のお雛様でも、

そして、
紙人形のお雛様でも

魂が宿って見える。

そう言えば、
子供の頃持っていたセルロイドのキューピーさん、

別に雛人形ではないけれど、
母が捨ててしまった時のことを

今でも覚えている。
私は台所の横にあった階段に座り、

母から、

キューピーさん、捨てたよ。
凹んじゃって壊れていたから。

と、
言われ、

とても悲しかったけれど、
うん、と頷いた。

と、思う。
不思議だけれど、

うずくまって階段に座る自分の姿が、
目に見える。

セルロイドの人形は
何かにぶつかったりすると

凹んじゃうのだ。
それでもいつでも大事に抱えていた。

確か
祖母か祖父が買ってくれたものだった。

今だったら
人形供養があるんだけれど。

でも、
私も娘たちのぬいぐるみを

捨てたなあ。
大きなチンパンジーのぬいぐるみや

ゾウさん、
そして夫が

ユーホーキャッチャー?
で取ったどうでも良いようなぬいぐるみ。

もう!捨てるからね!

とゴミ袋に入れたわ。
今でも娘たちに恨まれているが

娘たちも母になり
孫のおもちゃを捨てているから、

まあ仕方がないわね。

でも、
この紙人形のお雛様は大事にしよう。

今まで40年近く
よく壊れずにいてくれたと思う。

お内裏様の帽子が
少し曲がっているけれど

下手にいじると壊れそうで
このままそっとしておこう。

あとは美味しい白酒と
桜餅。

もうすぐ
本当に春が来る。

TTMゆいの中野むつみでした。