初心に帰って

TTMゆいの中野むつみです。

気がつくと、
5月も半ば。

ゴールデンウィークから今まで
私は何をしていたのだろう。

と、
目が覚めたように気がついたのは、

昨日の夕方、
小樽の水天宮からの石段を降りたところで、

大転びをした時だった。

小樽にある
NPO法人小樽民家再生プロジェクトが

小樽市から委託を受けて
旧寿原邸の管理運営をしているイベントに

参加した直後だった。
聞香と言う香り高いイベントで

私はふわふわと歩いていた。
旧寿原邸は神社水天宮のすぐ下にあり、

帰る時は
映画寅さんにも登場した水天宮参道の

階段を降りる。
水天宮は海が見える山上にあり、

桜の季節は最高だ。

昨日は、
水天宮にはお参りをせず

ごめんなさいね!と
心で言ったけれど

神様が引き止めたのか
階段を降り少し歩いたところで、

何故転んだ!的に体が宙に浮き、
ストンと尻餅をついた。

着物を着ていたせいか
転び方も大正昭和の感じ。

近くにいた女性たちが
びっくりして寄ってきてくれた。

小樽の人は親切だ。
右足を少し痛めたけれど

あとはかすり傷一つないのが
奇跡のような転び方だった。

いやはや
全く。

どうゆうこと?
とぶつぶつ言いながら札幌に帰ったが。

まあなんですね。
足を使わずに、

タクシーばかりに乗ってるから
こう言うことになるんだけれど、

ふと思ったのだ。
もしかしてこれは

水天宮の神様と
寿原家のご先祖様たちが

『おい!お前!
あんなに格好いいことばかり言って

小樽のまちづくりに関わってきたのに、
今になって寿原邸を見捨てるのか!』と

怒ったのではないだろうか。

旧寿原邸は現在は
小樽市の所有になっているが、

築100年以上の和洋風建築で
それはそれは素晴らしいものだが、

建物が素晴らしいから
残したいだけでなく、

そこに小樽の歴史が見え、
そこで生きてきた人たちが見えるから

惹かれるのだ。
そして、

その歴史は
今の小樽を作り上げている。

どこのマチにも歴史があり
良くも悪くも

その歴史を引き継いで今がある。
それを教えてくれたのが

小樽だった。
でも、昨年の大雪で

古い建物たちの傷み方は酷く、
旧寿原邸も

早く手を
打たなければならない状態になっていた。

ただ、必要な金額が膨大で
私はもう無理だろうなと

心の奥で思っていたのだが。

そんな私に神様は
メッセージをくれたのか。

5月6日に夫と訪れた函館では
急に五稜郭に行きたくなり

それも箱館奉行所を観に入ったのだ。
数えきれないほど訪れている函館だが、

復元された奉行所を観たのは
初めてだった。


日本中の
力の結集のような建物だった。

一体何十億かかったのだろうか。
復元されて10年以上経つが、

案内人の方々は
誇らしげに話をしてくれた。

すごい情熱だった。
そして、帰りに寄った札幌の定山渓は

コロナで厳しい状態の中
鯉のぼりを掲げてがんばっていた。

多分、
2週間ブログを書く気にならなかったのは、

自分の中で逃げがあったからだ。

五稜郭は
市が頑張ったからできたのだ、

定山渓は企業だから頑張れる。
そんな私の心を見透かすように

水天宮神様が
もう一度頑張れ!と、

私を宙に浮かしたに違いない。
まずは諦めないこと、

初心に帰るとするかなあ。

TTMゆい中野むつみでした。