旭川と言うまち

TTMゆいの中野むつみです。

突然ですが、
地域で生きるって

どうゆうことなんでしょうね?
ホント、突然ですが。

先週、私はインタビュー本番で
旭川に行った。

インタビューを初めて3年、
旭川にご縁を頂いて通っている。

定宿は扇松園。

こちらのお宿は正真正銘の

地元企業だ。
地元の旅館業としては

残念ながら一軒だけに
なってしまった。

今の女将の祖父母の代に始まり、
父母の代で高砂台に移転し、

名前を扇屋から
扇松園に変えたが、

扇屋時代から、
旭川に出張してくるお役人さんや

様々な方々が広く全国から
定宿として泊まっておられたそうだ。

扇屋の心のこもった接客は
本当に素晴らしく、

ここらあたりは
ゆいトークの初めの方で

3回に渡り、
インタビューでお話をして貰ったが、

きっとその精神が
今も生きているのだと思う。

こちらの宿には
そば扇と言うそば居酒屋?があって、

私はいつもそこで夕食をとっているが、
先週は定位置の席が埋まっており、

初めてリフォームをしたばかりの
奥の席に入った。

以前は畳で
テーブルが6卓くらい

置いてあっただろうか。
そこが椅子席になっていたが、

なんと一番奥が板敷で
不思議な感じの席だった。


『変わった席だね』
と、スタッフに聞いたら、

『小さい子連れの方が
ここで子どもを遊ばせたり、

子ども用椅子を置いて
食事を食べさせたり

できるように考えました』
と言う答えが返ってきた。

なるほどねえ

席数が減るが
お客様の使い勝手を優先したようだ。

食事が終わり
ロビーに行くと

五月人形が飾ってあった。
立派だ。

このロビーからは
二つの滝が見える。

先代が
どうしても作りたいと

自力で作り上げた庭園と
滝だ。

本当に自力、
自分で機械を動かして

土地を掘り庭石を置いたそうだ。

確かに建物は古くなっているが
よくわからない落ち着きがある宿だ。

空気が違うのだろうか。
そんなことを感じながら

ゆっくり休んだ翌日、
2階の廊下で

興味深い看板を見つけた。
【三浦綾子記念文化財団理事会】

三浦綾子は
旭川が生んだ作家で

今でも根強いファンがいる。
三浦綾子記念館もあるが

この財団が運営しているのだろうか。
時間が近づくと

旭川の知的集団とも言えるような方々が
集まってこられた。

みなさん、
転勤族ではなく

長く旭川で暮らし
生きてこられた方々だ。

私はその方々に
何気なく会釈しながら、

不思議な感覚におそわれた。

旭川で
三浦綾子さんはまだ生きている。

人口30万人の中堅都市旭川
文化とデザインのまち

そこで生まれ育った人や
企業しかわからない感覚が流れていた。

旭川そのもので
物語を作れそうな気がした。

TTMゆいの中野むつみでした。