自然のしくみ?

TTMゆいの中野むつみです。

縁って
地域にもあるんだなあ、

と思う。

私は札幌生まれの札幌育ちだから、
道内各地には子ども時代に

父親に連れて行って貰う程度だった。
それでも、

北海道の白地図と呼ばれる
道が白く表示される地図を持ち、

毎日父が
『今日はこの道を走ったんだぞ。』

と言って色鉛筆でなぞるのを
面白くみていた。

それが
父が創業した会社に

バイトのつもりで入り、
行きがかり上抜けられなくなり、

結局30年近く
働くことになったが、

その会社は
現場が全道にあって

奥尻礼文天売島以外
ほとんどの地域を回ることになった。

それぞれに思い出は深いが
退職する数年前に行った余市仁木の現場は

忘れられない。
高速道路が伸びるので

そのための
用地取得に関わる調査。

難しいから説明はなしで。
で、

調査したのは、
有機栽培のベリー類と

自然栽培のりんごだった。

有機栽培のベリーは
聞いたことがない種類もあって、

結局調べた株数は
19500株を超えた。

一個一個に番号札をつける。
大変な作業だったが、

何が大変って
有機栽培も自然農法も

農薬を使わないから
蜘蛛がいっぱいだ。

それも毎日美味しい虫を
餌にしている蜘蛛だから

黒々と光り、大きいのだ。
そして

その蜘蛛たちが作る蜘蛛の巣は、
驚くほど強靭で

その蜘蛛の巣に私たちが引っかかると
押し戻される。

嘘でしょ!
と、思うでしょ?

嘘じゃあない。
その時私は、

芥川龍之介の蜘蛛の糸は
本当だと思った。

強靭な蜘蛛の糸は
一人くらいなら

人間がぶら下がれると思う。
まあそれはどうだか、別にして、

その忘れられない調査から
数年たったころ、

そのベリーを使って
美味しいブルーベリーソースを

作っている女性を知った。
セントモニカの七戸さんだ。

白樺樹液や
自然のハマナスを使った化粧水などを

作っている人だが、
このソース一回食べたら

虜になる。
美味しいのだ!

で、
今度はその七戸さんが、

余市の自然農法栽培のりんごを使い、
スムージーを販売するという。

え?あの農場のりんご?
飲みたい!

と思った。
以前調査に入った時も

木村式自然農法には興味があり、
どんな味のリンゴなのだろうか?

と思って
収穫時期に買いに行ったが、

残念ながら
その年は不作で

『来年は色々工夫しようと
思っています』と、

農場主さんは言った。
そうだよね〜

有機栽培だって大変なのに
自然農法で育てるのは

やっぱり奇跡か。
と、思ったそのリンゴの

スムージーが飲めるのだ!
ワクワクだった。

で、
そのお味は

とてもスッキリ!
甘さが少なく、

最初はあれ?と思ったけれど、
そのスッキリ加減が気持ち良い。

これが
本来のリンゴの味なんだと思う。

そのリンゴも小さくて
とても愛おしく感じた。

元気な蜘蛛たちが
元気に虫を食してくれるから

農薬いらずのりんごができる。
自然の仕組みに乾杯!である。

TTMゆいの中野むつみでした。