女心は永遠に!

TTMゆいの中野むつみです。

あれは9月の末頃だった。

待ち合わせまで
少し時間が空き、

三越のカード会員専用の
休憩室に入った。

うーん
こー書くとなんだけれど、

そうだそうだ、
パウダールームって、

言うんだった。
中々の快適オシャレ空間で、

お化粧を直す習慣がない私も
休憩室として時々使うのだが、

その時は、
お一方先客がいらして、

化粧台の前に座って
本を読んでいらした。

女性専用だから
安心していられる。

私はその方の横の鏡の前に
座り、

iPadを広げて
メールとLINEの確認をした。

鏡の上にある灯が
明るいのだ。

そうしたら、
その先客の方が私に話しかけてきた。

『お着物姿、ステキですね!』

その時は、
単衣の小紋を着ていた。

叔母の形見でお気に入りだった。
着付け教室の日でもあり、

『最後に先生が直してくださるから、
ちゃんと着られているんです』

と、答えた。
そこから話が弾み、

パウダールームには、
私たち二人しかいなかったので、

着物談議が繰り広げられ、
そのうち、

年齢の話になった。
どう見ても、

40代前半としか見えないその女性は、
私より一つ年上だった。

嘘でしょ!
着物談議よりそちらの方が

私は気になり出した。
聞くと独身らしい。

うーん
そりゃあ私は、

3人の子どもを生んでいるけれど、
それにしても、

その女性の肌の張り
きめの細かさ、

そして、
抜けるような肌の白さ、

どー見ても
40代前半だ。

シワなんてひとつもない。
で、可愛い系の顔立ち。

化粧も薄い。
近頃通っている美容院、

ビューティーサロンウヤマの
S美容師さんに、

『中野様、お肌のお手入れは必要です。
お手入れをされている方と

されていない方では
確実に差が出て参ります』

と、
言われたばかりだった。

あーこんなに差が出るのか。
そりゃあ、

元々が違うのだろうが、
それにしても、

この差はなんだ!
と思いつつ、

さようならを言って
パウダールームを後したが、

いやあびっくり
もしかしてこの世の人ではないのでは?

と、
思うほどの若さだった。

今更あーはなれないけれど、
少しはお肌に気を使って生きようと思った。

が、
それから数週間経ち、

我が家に咲くダリアの切り花を見て
思った。

今更バラにはなれない。
ならば美しく枯れていくダリアになろう。

買った時の
赤い美しさはないけれど、

薄茶色に色を変えながら、
真ん中の白さが少しずつ減っていく。

この気品がなんとも言えず、
私、こー言う歳の取り方がいい!

と、
お花を届けてくれる宮村さんに、

言ったら、
笑いながらうなずいてくれた。

まあ正直なところは、
綺麗な可憐なピンクのバラのままが

良いけれど。
せめてダリア!が本心か。

どちらにしても
努力が必要であるようだ。

TTMゆいの中野むつみでした。