待つこと。。。

TTMゆいの中野むつみです。

何事も、
右か左。黒か白。言うか言わない!

で、
生きてきた私。

中途半端はダメなのよー
愚痴なんか言っちゃあいけない。

言うのは意見だ!
みたいな感じだったので、

社会に出てからは
疎まれることもあったけれど、

我慢ができなくて
手が上がり意見を言ってしまうのだ。

あれは多分二十代後半だったと思う。
私の働いていた病院には組合があり、

私も団体交渉というものに
初めて参加した。

もちろん、
組合での役職もない。

でも何故か、
テーブル席に座り、

斜め向かいには
専務が座っていた。

その日のテーマは、
看護婦が妊娠した時の

夜勤免除の交渉だったと
思う。

当時、
看護婦は妊娠しても三交代で

夜勤があった。
私自身も、

初めの子は
準夜勤終了直後に出血し、

流産しており、
交渉は切実な問題だった。

組合幹部と専務、役員とのやりとりに
私はだんだん頭にきて、

『看護婦が足りなくてできないなら、
患者の受け入れ制限をしてください』

と、
思わず言った。

ら、
専務は机を叩いて、

『私たちは患者さんの命を
預かっている。そんなことはできない!』

と、言った。
正直、

じゃあ私のこの命はどうするんだ!
と、言い返したかったが、

周りの空気から
いうのをやめた。

その交渉が終わった時、
組合の書記長が、

『ごめん、
あれは俺たちが、

言わなければならないことだった。
中野さんに言わさせてしまった。』

と、謝ってくれたが、
私の中では、

全く消化できない出来事だった。

まあ色々あったが
私はその病院が好きで14年働いて辞めた。

その後、
夫の会社で働きながら、

様々な経験をさせて貰い、
今、ここにいる。

相変わらず、
おかしい!と思ったら、

すぐ口に出してしまうのは
変わらないけれど、

近頃は、
少し考えてから口にすることも

必要だと思うようになった。
私は、稲富鍼灸治療院の患者だが、

先日、先生方の会話から
学んだのだ。

その鍼灸は経絡治療といって、
脈診が診断の大きな柱になっていて、

鍼を打ち、脈を診て、
効果の診断をするのだが、

稲富先生曰く、

『パッと診てパッと口にしてはいけない。
変わるのに少し時間がかかる時もあるのです』

ふーむ。
こちらの鍼灸は、

終わった直後も楽になるけれど、
本格的に効果を感じるのは

治療院を出てからのことも
多いのだ。

人間、
パッとしてパッときて!みたいには

行かないのだ。ね。きっと。
そんなことがやっと、

わかりかけてきた気がする。

あの時の専務は
きっとわかっていたのだ。

妊娠者の夜勤が
どれほど看護婦の体と胎児の命を

脅かせているか。
だから机を叩いて怒ったのだ。

あれから40年近く経ち、
ようやくわかった。

だから少し
考えてから口にするように

しようと思う。
できるかな〜

TTMゆいの中野むつみでした。