マチの文化

TTMゆいの中野むつみです。

昨日は、
旭川で小樽を想った日だった。

私は、
小樽のまちづくりのお手伝いで

10年近く小樽に通っているが、
元々は、

特に小樽に興味があったわけではなく、
それがある日突然、

神様の啓示?か、
と思うような感じで

小樽に行き始めた。
で、

通ってみると、
誠におもしろいまちで、

なんでこんなに
お餅屋さんが多いのだろう?

いや、
なんでこんなに商店が多いのだろう?

と言うのが
まず気になった。

そのうち、
街が形成されていく中で

多くの商店が生まれたことを
知ったのだが、

未だに多くの商店が
営業を続けていることには、

あまり疑問を抱いていなかったのだが、
昨日、

旭川の和風旅館扇松園の女将さんに、
『札幌でも草履の修理をしてくれる店がない』

と、話したら、
女将さんが、

『小樽にはあるよ、
草履の修理をしてくれるお店』

と教えてくれた。
まあなんと!

あんなに小樽に通い、
商店街巡りもしていたのに、

気がつかなかった。
とびっくりしていたら、

女将が続けて言った。

『地元のお店が残っていると言うことは、
地元の人がお店を護っていると言うことなんだよね。』

え?
私はそんなふうに考えたことがなかったので、

すごく驚いたけれど、
考えてみたら当たり前のことだ。

小樽にあるお餅屋さん、飴屋さん、
草履屋さん、八百屋さん、etc。

は、観光客が行くところではないから、
商売の相手は小樽の人だ。

そうか、
小樽の人が普通に買い物をしているから、

商売が成り立っているのか!
めちゃくちゃ当たり前のことなのに、

そこに目がいかなかったことが
なんとも情けない。

女将は旭川をこよなく愛し、
地産地消を自分の旅館でも行なっているが、

講演会でもよくそのことを話している。
旭川の地元のお店が消えるのは、

地元の人が買わなくなったから。
うーん、そうだなああ。

意識しないと
ついつい目新しい東京のお菓子を

買っちゃう。

私は小樽に行くと
時々不思議の国のアリスになった気がする。

別の世界に入り込んだような
錯覚に陥るのだ。

多分それは小樽の人たちが
無意識に文化の鎖国をしているからだと

気がついた。
自分たちの歴史や

その中で生まれた文化を護るために
特に札幌の精神に染まらないように

小樽を護ってきたのだと思う。
だから小樽の人は、

札幌に出かけるのを
遠くに行く感じに思うようだ。

ただ、
無意識なので自覚はない。

自分たちが地元の商店を使うことで
その文化を護っているなんて

考えもせずに毎日を暮らしている。
小樽、すごいなあ。

と思うと同時に、
女将、すごいなあと思った。

けど、
私は札幌人。。。はて、、、、。

TTMゆいの中野むつみでした。