古希からが本番!

TTMゆいの中野むつみです。

うちの夫は今年古希だったと
先日気がついた。

私は夫の会社に相談役で籍を置いているので、
年度始めの4月1日に北海道神宮に行ったのだが、

神宮のお知らせ
今年の厄年の方!

みたいな看板に
昭和27年生まれは古希祝と

書かれているではないか。

『あら、誕生日過ぎちゃったけれど、
後でお祓いをしに来ようか』

と、言ったが、
うーん、この古い希と言う漢字と

夫がマッチしなさ過ぎて
なんだか乗り気がしなかった。

たしかに
大昔は数えで70歳まで生きる人は

稀。
そりゃあおお祝いだったと思うけれど、

夫はバリバリの現役だし、
夫の会社は70歳が定年だけど、

本人が申し出をしない限り、
定期貯金の自動更新のごとく、

どーぞいっぱい働いてください。
だから、

現在も70歳越えの方は二人おられ、
そのうち一人は後期高齢者に入られるけれど、

体力を見つつも
会社に大いに貢献してくれている。

そう言えば、
先日訪れたリサイクルきものの

【和ものや傳】には、
70歳越えと思しき

男性の店員さんが
おられた。

店員さんというより
番頭さんと言った方がお似合いの方だった。

最初は、
男性だし、着物のこと、

わかるのかしら?
と、避けていたのだが、

若い女性の店員さんは
お客様対応にお忙しく、

仕方なく、
と言ったら失礼だけど、

その番頭さんに声をかけた。
ら、

なんということでしょう!
リサイクル着物のサイズと

私のサイズが合うかどうか、
テキパキと寸法を測ってくれて、

『これは少し大き過ぎますね』とか、
瞬時に教えてくれるのだ。

私が何枚も、
『これは?これは?』と聞いても、

嫌な顔一つせず、
丁寧に測ってくれて、

そして、
私の好みが分かった頃、

少しお高くなりますが
こちらにもございますよ。

と、違う棚の着物を
見せてくれた。

ちなみに、
リサイクル着物はお安い。

今回はセール中だったので、
1100円から着物帯があった。

で、最後に見せてくれた着物は、
39800円。

これを高いとみるか
安いとみるかは人それぞれだけど、

多分、
これを新品で買ったら

20倍の値段だと思うような
大島紬だった。

番頭さんは
柔らかな声で、

『羽織ってみられますか』
と、仰った。

『そうですね。羽織るだけ。。』
で、お店の一畳ほどの畳の上に上がり、

姿見の前で羽織ったら!
『きゃああ!なんて素敵!』

番頭さんは
『こちらの方はまた感じが全く違いますよ』

と優しく
2枚目の大島紬を私の肩にかけて下さった。

ら、
きゃあああ!素敵すぎる!

私の頭はお花畑になり、
『2枚とも下さい!』


ここがリサイクル品の
恐ろしさ。

そして
番頭さんに

3300円の帯を2本選んでいただいて
お買い物を終了。

最後に
番頭さんがにっこり仰った。

『良い品があってよかったです。
着物はご縁ですから』

あー
ベテランはすごい。

人生は
古希からが本番。

そう思う。

TTMゆいの中野むつみでした。