猫の名前がついた花瓶?

TTMゆいの中野むつみです。

ただの偶然なんてないというけど。
昨日は、小樽で

猫シェルターアリエルの
西谷代表のインタビューだった。

西谷さんは
小樽の捨てられた猫たちを保護し、

次の飼い主につなげるNPOを
立ち上げたばかりだ。

とはいえ、
すでに保護中の猫は

結構な数になっているらしい。
私は、猫シェルターに行く前に、

小樽の堺町商店街を散歩したが、
偶然入った大正硝子というお店で

気になる花瓶を見つけた。
花瓶の名前が、

【ミケ】と【クロ】というのだ。
そのほかにモモというのもあったが、

ミケとクロは、
我が家にいた猫たちの名前だった。

この花瓶の作者はどうしてこの名を
付けたのかしら。

私は猫が超苦手だった。
そばに来られるだけで逃げた。

私の前世はネズミだったのではないかと
真剣に思うほどだったが、

娘たちが小学生の頃、

学校の鶏小屋に捨てられていた2匹の子猫を
家に持ち込み、

結局、動物好きの夫もその気になって、
2匹の子猫は我が家に来た。

私は、きゃーきゃっ言って
逃げ回っていたが、

そのうち、
なんとか2匹には触れるようになった。

子どもたちはそれぞれ巣立ち、
いなくなったが、

ミケとクロは
長らく一緒に暮らした。

クロは17年、ミケは23年11ヶ月、
私たち夫婦とともにいた。

私にとっては、
唯一飼った動物になったが、

今でも2匹は
家にいる気がしている。

だから、
この花瓶を見つけた時、

迷うことなく買った。
うちのミケやクロは

こんなに繊細ではなかったけれど、
まあいいか。

インタビューは楽しく終わり、
そのあと、シェルターの猫たちを見せて貰った。

みんな大事にされて綺麗だった。
が、まだ私の中に猫恐怖症があるのか、

恐る恐るだった。
子猫は可愛くて、

すぐに貰い手が見つかるらしい。
確かになあ。

うちのミケもクロも
あんな感じだったなあ。

子猫をよく観察すると
愛くるしいだけでなく、

どこか儚さがあり、
捨て置けなくなる感じだ。

これが子猫の魔力だろうか。

それでも数ヶ月経つと少し大きくなって、
急に人気が落ちるのだそうだが、

ごめん、
やっぱり無理だわ。

と、
生後半年くらいのブチに謝って、

猫シェルターを後にした。
だってねえ、取材だけして終わりですか?

だよねえ。

家に帰ると、
ミケとクロの花瓶に花を入れた。

細い首だから
まさに一輪挿しだ。

2匹の猫の写真と一緒に
玄関の家族写真コーナーに置いた。

あーもっと
可愛がってあげれば良かった。

そんな私に西谷さんは、
『ミケちゃんもクロちゃんも

鶏小屋から拾われて
幸せだったと思いますよ。』

と、言ってくれた。
そうかなあ、そうだったら良いなあ。

2匹の花瓶を買って
少し心が癒された気がした。

TTMゆいの中野むつみでした。