勿体ない座布団編

TTMゆいの中野むつみです。

自分の中の
バッサリ捨てる期が

終わったらしく、
近頃は長く使うに移行した感じだ。

まあなんですね、
捨て切ってスッキリしたんでしょうね。

で、
今回やってみたのは

座布団の打ち直しだ。
私が結婚した頃は、

花嫁道具の一つとして
座布団を

娘に持たせる風習が
残っていたらしく、

母は私に10枚の座布団を
持たせてくれた。

普段使い用の座布団5枚は
少し綿の厚みが薄く

座布団生地もお客様用とは
少し違った。

当時私は看護婦をしており、
とても人様を

迎え入れるような生活は
しておらず、

母に、
『要らないと思うよ』と

小さな声で言った気がする。
ウキウキと花嫁道具を揃える母に、

毅然と拒否する言葉は
言えなかったのだ。

その10枚の座布団は
時折使われたが

その大部分は
押し入れの中で

ぺっちゃんこになりつつあった。
そんな時、

私が所属する小樽のNPOで
旧寿原邸の利用時、

座布団があった方が
良いということになり、

実家の座布団と
我が家の座布団7枚を

預けることになった。
残り3枚は、

我が家の居間に残した。
和室がないマンションなのだが

歳と共に
座って夕ご飯を食べるようになり、

フローリングの上に座布団は
必要だったのだ。

で、
今年の暑い夏、

気がついた。
あんまり使っていないとは言え、

この座布団、
43年もの間、

私たちの汗を吸っていたのね!
よく見ると、

普段使い用2枚は
生地が依れて

一枚は穴が空いていた。

カバーをかけていたので

気がつかなかったのだ。
よし!

布団の打ち直しに出そう!

宮崎県だが
布団屋さんの知り合いがいる。

松田さんというその彼女は
家業の布団屋を継いでいた。

自分の店で
布団を作っているのだ。

もちろん
打ち直しもしてくれる。


今時びっくりだが
宮崎だから成り立つのかも知れない。

前の私だったら、
捨てよう!と、

すぐ思った。
だって、送料を考えたって、

ニトリやイオンで買い換えた方が
安いだろう。

でも、まだ使える綿だ。
昔日本は世界の中でも有数の

綿花生産国で
ずいぶん輸出をしていたと聞いた。

織物も盛んで
日本の綿花は良質だったらしいが

インド綿が出てきて
ほとんど栽培されなくなったらしい。

我が家の座布団の綿が
日本製とは思えないが

まだ使えるものを
捨てるのが急に

もったいなく思えたのだ。
もう結構、

布団を捨てた後だったが。


打ち直しがされて
新しい生地に収まった座布団が

宮崎から帰ってきた。
夫用は青、私用は黒っぽい花柄、

赤は私の部屋用だ。
座布団はフカフカだけど、

しっかりしている。
まだまだ使えそうだ。

宮崎の松田さん、
ありがとうございました!

TTMゆいの中野むつみでした。