花と榊に思う

TTMゆい中野むつみです。

私は月2回、
アンスルートのあみちゃんに

お花を自宅に届けて貰う。
どこか向上心が欠落している私は、

なんでも自己流が好きで
お花も習わずに自己流。

だから、
美しさは少々見劣りするが、

それでも
家の中に花がある生活は楽しい。

で、
新しい花がやってくると

まだ元気な花と織り混ぜながら
活け直す。

すると、
2週間前の花の老い具合が分かり、

あー人間みたいだ。
若い華やかな花の中に

老いた花があると
やっぱり浮いた感じになるなあ。

などと
自分を2週間前の花に

置き換えたりするが、
それが活け方を変えたら、

あら!良いじゃん!
こっちの方が素敵!

なんて思うのだ。

有り様とTPOなのかも
知れない。

そして、
神棚の榊の水を換えながら

また思った。
あら、常緑樹って

こうやって
葉っぱが出てくるのね!

庭のない我が家では
常緑樹をしっかり見つめることはなく

芽から葉っぱが出てくる様子を
見たことがなかったのだ。

落葉樹は
潔く全部葉っぱが落ちて、

翌春
一斉に若葉が出る。

私はこの潔さが好きで、
本州の常緑樹を見るたびに

暑苦しさを感じていたのだが、
榊の芽の周りには

青々とした先輩の葉っぱがあり、
その中から若葉が出て来る様子も

なんとも言えず
温かい気がした。

人間の世界も
常緑樹なのだなあ。

と、
思う。

先日、
小樽の【ヨルトノ】と言う

パン屋さんを営む皆川さんを
インタビューした。

まだ30代半ばだ。
美容師からパン職人に

人生を方向転換して
独立をした。

ストイックな程の職人だけど
妻を愛する気持ちは強く、

二人の生活が
パン作りで壊れることがあるなら

仕事を変える。
と言う。

あら!びっくり!
だったけれど、

本番で聞いたパン作りの本気さに
この人は2頭追うことができるだろうな

と、思った。
小麦粉など素材への拘りは

もちろん半端ないけれど、
パンを発酵させる時も

寒いからお湯を使うとか
暑いから氷を入れるとかせず、

小樽の気候に合わせて
発酵時間を変えたりするのだそうだ。

だから
ヨルトノのパンには

いつも小樽の
その時の空気が含まれている。

何というこだわりだろうか。

小樽は歴史の街で
その中で生きてきた人たちは

特有の空気感があり
他者を寄り付けない感じがしたが、

ヨルトノの皆川さんは
移住者で

小樽で暮らしてまだ3年だ。
でも、

皆川さんの生き方は小樽に溶け込み、
それでいて、

小樽の歴史には
今までなかった感覚も息づいている。

人間の世界は
やっぱり常緑樹。

若い花も落ちかけの花も
若い葉っぱも重厚な葉も

みんな一つで成り立っている。

さあて私も、
もう一踏ん張りしようかな。

TTMゆいの中野むつみでした。