父からの伝言?

TTMゆいの中野むつみです。

今朝3時ごろ目が覚め
そのまま眠られず

ベットの中で悶々としていたら、
三女がやってきて、

『準備がまだだったら
先にたあちゃんとこに行ってるね!』

と、言ったところで
目が覚めた。

知らないうちに
二度寝をしたようだ。

それにしても
どうして『たあちゃんとこ』が

出てきたのだろうか。
『たあちゃんとこ』とは私の実家で、

数年前に取り壊し、
今は夫が社長を務める会社の

駐車場になっている。
取り壊してからは、

『たあちゃんとこ』は、
その言葉さえ夢に出たことは

なかったのに。
まあいいか、

とにかく
寝坊は免れたのだから。

と、
朝のルーチン行動を済ませ、

出かける準備で
着物に着替えた。

昨日、
ビューティサロンウヤマで

デコルテマッサージを
して貰ったからか、

昨日の直後とはいかないけれど
二重は一応くっきりしている。

ヨシヨシ
と思いながらも

思考は再び実家に行った。

私は、
母っ子を超える母っ子で

気がつくと双子関係?みたいだったが、
父との関係は

ちょど良い感じだったと
思っていた。

父は病に倒れ、
気管切開をして

人工呼吸器は外れたけれど、
気管には管が入ったまま、

四肢も動かすことができず
一年半闘病生活を送ったが

私は出張以外は毎日顔を
見に行った。

父が好きだった島倉千代子の
CDを聴かせ、

色々話しかけた。
わかっているのかいないのか、

よくわからなかったけれど、
父が作った会社の決算が終わり、

『少しだけど黒字になったよ』
と、言うと

父は急に泣き出したので、
あ、わかるんだなと気がついた。

父が入院していた病院は
ちょっと遠かったのだが、

運良く実家の近くに
その関連病院ができた時

転院をさせることができた。
救急車に父を乗せ、

『お父さん〜
川沿の病院に移るよ』

と言ったら、
父は泣き笑いをした。

良かった!
と思ったけれど、

救急車が病院に着き、
ストレッチャーが車から降ろされると、

父は急に顔を曇らせた。
自分の家に帰れると思っていたようだ。

それから父は
より反応が少なくなった。

それでも命に別状はなかったので、
お盆休みを利用して

娘や孫たちと
私は北湯沢に遊びに行くことにした。

その日、
『今日から温泉に行ってくるね』

と父に言うと
父は声が出ない口を何度も開け、

泣きながら
何かを私に伝えていたが

私には分からなかった。
お医者さんが大丈夫だと言うのだから、

大丈夫!と父に言って
北湯沢に行ったけれど、

私はどうしても胸騒ぎがして、

『宿屋の夕食が終わったら、
札幌に連れて帰って!』と

夫に頼んだ。
夫も娘たちも孫たちも

残念そうだったけれど
泊まらずに札幌に帰ってきた。

夜半に病院に行くと
『急に悪くなって』と、

医師に言われ、
父は再び人工呼吸器を

つけられていた。
それから3日後だったか、

父は、
母、姉家族、私たち家族、

そして、
叔母たち家族に見守られて

息を引っ取った。
父はあの時、

自分の死期が近いことを
感じ取ったのだと思う。

あれから
もう15年以上たった。

実家がなくなり、
私にとってあの家は

父そのものだったのだと
気がついた。

でも、
なんで今朝

その『たあちゃんとこ』が
出てきたのかな。

お前、
たまには俺のことも書けよ〜

父からの伝言だった気もした。

TTMゆいの中野むつみでした。