着物の力

TTMゆいの中野むつみです。

私が日常で
着物を着るようになったのは、

つい2年前くらいだ。

私を実の子供のように
可愛がってくれた叔母の形見の着物や

祖母の形見の着物を
着たいと思っていたけれど、

忙しくて着れない!
と、言い訳を言っていたら、

なんと
コロナが後押しをしてくれて、

私に時間をくれたのだ。
そういう時、

神様はちゃんと
着付けの先生を用意してくれる。

それが札幌きもの学院の
遠藤院長だった。

コロナでレッスンがお休みなのに、
特別に個人レッスンをしてくれて、

『先生、早く自分で着られるように
してください!』

という私のわがままを聞いてくれ、
4月中頃からわずか4ヶ月で、

私は着物を着て
出張に出かけるようになった。

と言っても、
恐る恐るだ。

どこかで帯が解けたらどうしよう。
着崩れたらどうしよう。

と不安はいっぱいだったけれど、
まあ、どうにかなるわ。

の良い加減さで、
最低週4日着物!を目標に、

形見の着物を制覇した。
そうすると、

今度は自分で着物を買いたくなる。
お高い新品から、

上質のリサイクル品まで、
私の生涯をかけた退職金を

全てつぎ込んだ。
着物ってすごい魔力だ。

そして、
インタビューの際は、

お相手に合わせた着物にする。
事前インタビュー時は、

イメージで、
着物、帯、帯締め帯揚げを決める。

本番はもっと
イメージが鮮明になるから、

決めやすくなる。
実はこのお相手に合わせた着物選びが、

誠に楽しいのだ。
そうでしょ、お相手ににピッタリ!

と、
一人で悦にいる。

お相手が特におらず、
自分で用足しに出かける時は、

その時の自分の気持ちを
表現してみる。

先日は珍しく
夫と温泉に行った。

私は、
ちょっと良い大島を着た。

連れの女性で
男性は引き立つというからなあ。

帯の裏には
お坊さんが二人描かれている。

今夫は般若心経を
一生懸命勉強中なので

陰ながら
応援のつもりだ。

北見の境井さんの本番は、
誠実の青を基調にした。

家ねっとの会議は、
誠実と強さを紺の縞紬で、

明るさを赤い帯で
表現して見た。

アイ・ティ・エスの
河瀬社長の事前インタビューは

渋さと明るさを
小豆色の着物で表現、

帯は紺のワインの柄で
モダンに!

そして今日のお能鑑賞と
お買い物は、

自分の心がやさしくなるように、
ピンクの紬に若草色の帯、

そして
可愛い急須の帯留めだ。

着物は着ていると
ワクワクする。

心が華やぐ気がする。
あー喪服は逆に、

心がしめやかになるかな。

この感覚は
もしかしたら日本人のDNAなのかも。

叔母の形見の着物が
私にあたらしい世界をくれた気がする。

TTMゆいの中野むつみでした。