ボケちゃあ悪い?

TTMゆいの中野むつみです。

まだ読んでいないのに、
あ!私の感性、

きっと時代の最先端!
と、思った本は、

ぼけますから、
よろしくお願いします。

だ。
友人がFacebookで

紹介していた。
読んでいないのに、

感想を言うのは変な話だけど、
明らかに、

年齢を重ねて
ぼけていくことを

肯定している題名だと
思う。

表紙の写真も
おばあちゃん二人の

明るい姿だ。

昔から、
歳をとると

人はボケて、
それが本ぼけなのか、

はたまた、
ボケているフリなのか、

わからないところも
老人の特権だった。

あ、
耳が遠くなったフリ。

も、
あったなあ。

私はただ今65歳、
一応、

日本の法律的には
高齢者の域に入ったらしい。

ふーむ
ちょこっと納得はいかないけれど、

都合のいいとこでは、
『いやあ、歳だから』

と、
年寄りになる。

が、
しかし、

全然死ぬ気はしないから、
あれもしたい!これもしたい!

と、
歌っているけど、

歳を重ねたら、
年寄りになったら、

少しくらいボケないと、
全部を覚えていたら、

苦しくなって
死んでしまうぞー

と、
思っているのだ。

おかげさまで、
私は戦争も経験していないし、

沢山の愛する人たちが
先に逝ったけれど、

歳の順番で、
仕方がない。と、

諦めることも
できている。

夫とは、
大恋愛ではないけれど、

42年もの間、
色々あっても、

一応仲良く
暮らしている。

娘たちも家庭を持ち
仕事もして、

孫もいっぱいいる。
わたしには、

仲間も多くて
友もいっぱい。

生活もそれなりに
できている。

そんな幸せな私でも、
忘れたいことの一つや二つは

あるかなあ。
で、

歳をとって
ボケが入ると、

それを忘れちゃうのだ。
あら!そんなこともあったっけ?

人に言われて
気がついたりする。

この頃思うのは、
歳をとり、

ボケていくのは
幸せを胸にいっぱいに

旅立つ準備なのでは
ないかしら。

と、
言うことだ。

私の母は、
90歳を過ぎて

アルツハイマーに
なった。

最初は
記憶がなくなる不安があったけれど、

そのうち、
忘れることも忘れて、

おんなじことを
何度も繰り返して話すけれど、

毎回、
仕草までおんなじに、

話すので、
なんだかおかしくて、

私も家族も
毎回同じ反応を返しているが、

時が経つにつれ、
母はどんどん穏やかに

幸せそうな顔に
なっていく。

若い時の戦争の記憶も
姉妹を原爆で亡くした記憶も、

父やその親族との葛藤も
全て忘れて、

心の波が
立たないようだ。

母は、
今95歳。

1月に書いた書き初めは
『漱石』だった。

頭に浮かんだ字を
書くらしいが、

よくぞ、
そんな字を思い出したものだ。

沢山生きてきたら
心の中に澱も溜まるもん。

ボケてちょうど良いんじゃあ
ないかしら。

きっと私は
都合の良いボケ老人になるなあ。

その時は
よろしくおねがいします!

TTMゆいの中野むつみでした。