季節外れですが

TTMゆいの中野むつみです。

雪が降っては溶けて
降っては溶けて。

冬の始まりは
こんな風だったなあ。

と、
変な表現だけど昔を思い出す。

いつの頃からか、
ある日ドサっと降って根雪に

なるようになった。
子どもの頃は

溶けないでほしいと
いつも思っていたっけ。

そんな初冬に
日傘が届いた。

手作りの日傘だ。
旭川に住む飯沼さんは、

着物で日傘を作ってくれる。

私が着物に目覚めたのは
去年の秋だった。

久しぶりに着物を着て
結婚式に出席し、

周りの方々に褒められて
なんだか着たくなった。

そしたら、
着る機会がやってきた。

小樽にあるNPO法人小樽民家再生プロジェクトの
旧寿原邸でのイベントの

お手伝いだった。

大正元年に建てられた旧家に
着物はピッタリあって

次は自分で着られるように
なりたい。

と思ったら、
その時はすぐ来た。

今年のゴールデンウィークから
その寿原邸で毎週イベントを行うことに

なったのだ。
が、しかし、

そー簡単には
着物は自分で着られない。

でも習おう!
と、

札幌きもの学院の
着付け教室に申し込んだ。

ら、
コロナでイベント開催が

6月からに延期になった。
よし!今のうちに覚えるぞー

と、
2ヶ月で、

とにかく
着られるようになった。

お陰で
自分がお手伝いに寿原邸に行くときは

いつも着物で行ったのだが、
願えば叶うのか、

昨年末に実家の取り壊しを行った際、
30年以上実家の祖母の部屋で眠っていた、

祖母の着物が出てきて、
その中に夏物の着物もあった。

私の着物の殆どは
叔母の形見の着物だけれど、

夏物がなかったのだ。
祖母の形見のおかげで

袷、単衣、浴衣、夏物が
全て揃った。

お陰で私は、
6月から10月頭までの間

季節にあった着物を着ることが
できたのだが、

ある日、
そー言えば我が家の箪笥にも

少し着物があるぞー
と、思い出した。

それは私が中学生くらいの時に
着た着物だ。

ウールの着物だった。
雨コートもあった。

流石に着れない。
うーんどうしよう。

捨てるしか無いか?
うーん。。。

と思っていたら、
思い出の着物で

日傘を作ってくださる飯沼さんを
知った。

日傘は有るけれど
何本あっても良いじゃん。

その日の気分や
お相手で選べるのは幸せ。

と思い、
注文をした。

すでに夏は終わっていたが
来年必ず夏は来るから。

そして、
先週末、

日傘になった思い出の着物が
帰って来た。

我が家に帰る前、
旭川の神社でお祓いまでして頂いて。

大切に包まれて帰ってきた着物の日傘。
本当に嬉しかった。


この着物は
母が作ってくれた着物だ。

母は今
アルツハイマーになって

ホームで暮らしている。
コロナでまた会えなくたった。

着物を着ると、
私を愛してくれた母、祖母、叔母たちに

守られている気がする。

日傘は夏まで
静かに出番を待っている。

TTMゆいの中野むつみでした。