9月になって

TTMゆいの中野むつみです。

札幌は完全に秋だが、
明日からはまた夏が戻って来るらしい。

私は、着物を着るようになって、
季節を感じるようになった気がする。

実際の温度とは別に、
6月と9月は単衣、

7月と8月は、
夏着物。

で、
その他は袷。

私は、
着物に夏着物があることを知らず、

6月最終日、
明日から夏着物!

と聞いてびっくりした。
それも、

絽や紗の他に
夏の織り方の着物があると言う。

へええ!
季節をそんなに意識したことが

なかったので、
なんだか面白い。

浴衣は、
夏のもの。

ふむふむ。
結構頻回に着物を着るので、

2ヶ月だったけれど、
浴衣も夏着物も出番が多かった。

で、
今日からは単衣。

こちらは、
叔母の形見が3枚。

ちりめんの小紋と、
紬と木綿の絣だ。

まずは、
季節に合わせて

Facebookの写真を
変えた。

なので、
本日はちりめんを着た。

まさか自分がこんなに着物を
着る生活をするとは思ってもいなかった。

でも、
子どもの時から着物は好きだった。

父のすぐ下の妹夫婦は
子どもがいなくて、

私を実の子のように
可愛がってくれた。

叔父は着物が好きで、
叔母は着物ばかりを着ていたが、

体が弱かった叔母に
着物は合っていたような気がする。

帯は体の支えになるのだと
自分が着るようになってわかった。

あんなに可愛がってくれたのに、
忙しさにかまけて会いにも行けず、

心残りがいっぱいだったけれど、
形見の着物を着るようになって、

ホッとしている。
形見の着物の中に、

叔父の綿の羽織が
一枚だけあった。

思うに叔母は、
病気になって入院する時、

自分が死んだら私に残そうと思って、
着物を整理していたのではないだろうか。

タンスにあった着物は
小紋が多くて、

普段に着なさい。
と、言っているようだった。

時代に合わないようなものは
始末したのかも知れない。

叔父の着物を探したけれど、
あったのはその羽織一枚だった。

6月、
その羽織をクリーニングに出した。

仕立て直すと
莫大にお金がかかると言われ、

そのまま着ることにした。
寒い夜に羽織ると温かかった。

今はまだ暑いけれど、
もうすぐ本当の秋が来る。

着物は、
季節の先駆けは良いそうだから、

9月の末になったら、
袷を着て、

叔父の羽織を
羽織ろうと思っている。

これで、
叔母が残してくれた着物全てに、

手を通すことができる。
夏の絽や紗の着物は

祖母の形見、
パナマの草履も履いた。

青い革の草履は
秋になっても履けそうだ。

着物のおかげで
季節を意識し、

着物のおかげで
私を愛してくれた叔父叔母祖母の

想いを大切にすることが
できた気がする。

私は、
両親だけでなく、

沢山の肉親の愛の中で育てられたのだと
改めて思う9月である。

TTMゆいの中野むつみでした。