あなたがいて

TTMゆいの中野むつみです。

人間って、
30年もたってから、

あ!と、
大切なことに気がつくことが

あるんですね。
私は、

看護婦を14年と半年して、
退職しました。

看護の道を選んだのは
行きがかり上みたいな感じで、

熱意もなく
資格が取れるしー

一生働けるしー
みたいな感じでしたが、

看護婦になり
2年目に結婚、3年目に出産し、

急に命の尊さに目覚めて、
看護に燃え始めたのです。

いやああ
よく仕事をしましたよ。

面白かったなあ。
でも、

やりすぎて、
体を壊し、

退職しました。
その後、

看護婦に戻ることなく、
今の会社に勤め、

経営者の真似事をし、
そして、

今は自分の得意分野の
話すこと、書くこと、聴くことで、

人と人、心と心、
を繋げたいなあと、

ゆいを立ち上げたのですが、
今朝、突然気がついたことが

あるんです。
私は、

看護婦を途中退場したわけで、
いわゆる、挫折。です。

ところが一度も、
挫折と感じたことがなく、

本当に前を向いて、
色んなことをやってきました。

いつも、
おかしいな。

どうしてこんなに挫折感が
ないのかしら。

と、
思っていたのですが、

それはやめる寸前に、
勤めていた病院の先生から、

ある手紙を
受け取ったからだったんですね。

それに今朝、
気がついたんです。

ほんと
びっくりでした。

私が体を
壊すほど働いていた病棟に、

ある日、
40代後半くらいの

高校の国語の女性教師が
入院してきました。

悪性の病気ではないけれど、
タチが悪い病気で、

何度も生死の間を
行ったり来たり。

真夜中でも
緊急事態発生!

になってしまう病気でしたが、
その女性は、

自宅で
家族の壁新聞を作っていました。

私はそれを知ったのは、
その病院を離れて、

しばらくした時でした。
仲良しだった医師が、

中野さんの話を
壁新聞に書いたから、

渡して欲しいと言われたよ。

先生はそー言って、
私に家族の壁新聞を

くれました。
そこには、

どんなに苦しくても、
今回はダメかもしれない。

と、弱気になっても、
中野さんが来てくれると、

助かった!
と、思う。

と、
書かれていました。

私は看護婦で医者じゃあない。
でも、私の存在が、

私の仕事が
彼女を勇気付けていた。

と知って、
私はとても嬉しかった。

自信があるのか
ないのか、

よくわからない
看護婦でしたから。

でも、
それは、

とても嬉しい出来事
だったけれど、

ただそれだけだったのに、

偶然お友達になった方が、
今その高校で生徒さんに教えておられ、

このエピソードを
メッセージしていたら、

急にわかったのです。
私は彼女の言葉で、

途中退場しても、
顔を上げて退場することができ、

その後の人生を
前向きに生きることが

できたのだと。

誰かの行動や言葉で、

自分が救われたこと、
ありがたかったこと、

そんなことがあったら、
口や字で相手に伝える。

そのことで、
その相手の方の人生に

大きな希望を
与えることもあるんですよ。

だから私も
素直に口に出したいと

思います。
あなたがいてよかった!

TTMゆいの中野むつみでした。